セルビア歴史とイワノビッチ
今日行われた東レPPOの準々決勝のカードのひとつ.
イワノビッチ対ヤンコビッチは、唯一の同国対決となった.
ふたりの属する国の名前はセルビア共和国. 通称セルビア.
昨年2006年に独立したばかりの新しい国だ.
我が家には高校時代の地理で使っていた世界地図がある.
帝国書院の新詳高等社会地図 昭和61年(1986年)文部省検定.
ヨーロッパのイタリアとアドリア海を挟んでお向かい.
かつて、ここには広大な国が存在していた.
ユーゴスラビア社会主義連邦共和国.
単位未履修のある高校はおろか、普通の高校でもめったと教えないであろう1990年以降の世界史.
この国は現在に至るまでにバラバラになり、歴史上の国になったので今は地理には登場しない.
1963年: ユーゴスラビア社会主義連邦共和国
1990年: クロアチア、スロベニアが独立.
1991年: 一連のユーゴスラビア紛争に突入
1992年: ユーゴスラビア連邦共和国
1992年: ボスニア・ヘルツェゴビナが独立、この結果ユーゴスラビアは崩壊.
ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争勃発
セルビアとモンテネグロの2つの共和国で新たなユーゴスラビア連邦を形成.
1995年: クロアチア紛争、ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争漸く終結
コソボ紛争勃発
1999年: コソボ自治州でNATO軍の爆撃.
2003年: 連合形式を変更しセルビア・モンテネグロに
2006年: モンテネグロ独立、残ったセルビアも独立宣言.
このセルビアの歴史に二人のプロフィールを重ねてみる.
エレナ・ヤンコビッチ Jelena Jankovic
生年月日:1985年2月28日生まれ(21歳)
アナ・イワノビッチ Ana Ivanovic
生年月日:1987年11月6日生まれ(19歳)
イワノビッチを例にとれば、
生まれたときの国名は「ユーゴスラビア社会主義連邦共和国」
5歳のときに、旧ユーゴからセルビアとモンテネグロだけの新「ユーゴスラビア連邦」
5歳のときに、テニスを始める
12歳のとき、コソボ紛争でNATO爆撃.
12歳のとき、「セルビア・モンテネグロ」に
16歳のとき、ウィンブルドン・ジュニアで準優勝.
17歳のとき、ツアー初優勝.
18歳のとき、「セルビア共和国」に
そして現在は19歳.
既に国の名前は4回変わっているが、国内に独立をのぞむコソボ自治州があるので、まだ油断はできない.
この間、イワノビッチは順調にプロの道を進みWTAシングルスランク現在13位.
さらにセルビアといえば、忘れてはいけないのが母国のヒロイン、モニカ・セレス.
1990年から1993年までがセレスの絶頂期(全仏オープン3連覇,全豪オープン3連覇,全米オープン2連覇).
ちょうどイワノビッチがテニスを始めた頃にあたり、もっとも影響を受けたプレーヤーだという..
***
時は流れて2007年、今日の準々決勝は見事に勝利.
◇東レPPO on Tennis.365
スコアは3-6、6-4、6-2で、現ランク10位のヤンコビッチに見事な逆転勝ち.
このイワノビッチは、シャラポワと次の準決勝で対戦.
同い年の19歳とはいえ、祖国セルビアが激動の時代の中でプロ選手になってきたイワノビッチに対して、祖国ロシアを離れてアメリカを生活の場としてきたシャラポワ.
あまりに背景の違う19歳同士の対決はどんな戦いになるのか.
メンタルの強みをアピールするシャラポワに対して、おそらくはちょとやそっとでは動じなさそうな背景を持つイワノビッチ、これは要注目.
参考:Wikipedia セルビア
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コメント
当時の出身国名がユーゴスラビアだったので気づかなかったのですが、モニカ・セレスが現セルビア出身だそうです(モニカ・セレビッチとかでもないし;;笑).
国がバラバラになっていく真っ只中に全仏3連覇とかしていたわけで、凄いパワーを感じます.
イワノビッチ、今日はヒンギスに負けてしまいましたが、偉大な先輩においつく気持ちでがんばってほしいです.
投稿: TickTack>あど | 2007/02/04 午後 11時31分
イワノビッチ、じっくり見ましたがいい選手ですね。クロアチアのワノセビッチの親戚かと思いました。
それにしてもこの地域の紛争はいつになったら収まるのでしょう。お気の毒です。
投稿: あど | 2007/02/03 午後 07時06分